小中学生向けの経済講座 第106回
10月24日(月)、小中学生向けの経済講座(第106回)を開催しました。
①四国を発電所にしたら…
Sさんが学校の社会の授業で「四国地方の人口減少」について学習し、それを受けて友達と「日本は電力が不足しているというから、四国の人口をゼロにして四国全体を発電所にしたら」という会話をしたそうです。
発電に関する根源的なポイントは、日本全体の電力供給体制をどのようにするかというビジョンです。東日本大震災で原子力発電所の事故が起きた後、長期的な方針をはっきりさせないまま、今日に至っています。原子力発電で全体の何割程度を賄うのかを決めることで、それ以外の発電方法の議論をすることが可能になります。
次のポイントは、再生可能エネルギーは量的インパクトは極めて小さいという点です。日本経済を支えるにはあまりにも発電量が少なすぎます。
ちなみに、太陽光発電は電力供給量が不安定であることに加え、環境破壊を伴い、さらに将来のごみ問題(太陽光パネルの大量廃棄)を生み出すという点で、見直しの必要ありです。
最後に、この質問に対する決定的な論点を指摘します。四国の人々がこれまでに積み上げ、継承してきた伝統文化を無にする、この政策は採用することはありません。日本人が日本の文化を殺すことはあってはならないことです。
②日本銀行が破綻するのは…
これはA君の質問です。日本銀行がどのような銀行であるかを確認した上で、その日本銀行が破綻するとは具体的にどのような状態を意味するのか、と問いかけました。
一般の企業ではないので倒産がないのはもちろんです。日本国の紙幣を発行する役割を持っているのが日本銀行ですから、その存在がなくなるということは日本国が消滅する時ということでしょうか。
※世界統一通貨がデジタルで生み出され、その結果、日本銀行(日本の中央銀行)が必要なくなるという議論は難しいのでやめておきました。
③経済クイズ
三たび経済クイズ。以下のランキング上位5か国はどこでしょう?
ヒント
<1日当たりの石油の消費量の多い国>
1位 GDPランキング世界第1位
2位 GDPランキング世界第2位
3位 アジアで人口の非常に多い国
4位 西アジアで石油が大量に採れる国
5位 ?????
<産業用ロボット稼働台数の多い国>
1位 世界の工場
2位 ?????
3位 アジア(日本に近い)
4位 欧米
4位 欧米
・4位と5位は、どちらかが「欧」でどちらかが「米」
・「欧」はEU第1位の経済大国
<世界遺産の多い国>
1位 ヨーロッパ(ピサの斜塔)
2位 アジア
3位 ヨーロッパ(ベルリンの壁)
5位 ヨーロッパ(サグラダファミリア)
5位 ヨーロッパ(ベルサイユ宮殿)
正解は、このブログの最後で発表します。
④海外旅行「円安」「物価高」で逆風やまず
コロナによる規制が緩和されたものの、円安と物価高で海外旅行の費用が大きく上昇している、という記事です。
フードコートのうどんが2000円、カップ麺が500円超というのは驚きです。しかし、この手のニュースは今やネット上に溢れています。つまりこれが現実ということです。記事の中では、海外旅行の平均単価が2019年対比で2倍近くに上昇しているそうです。
⑤日本料理人 中国に好機あり
以下の記事を通読した上で、感想を発表してもらい、それを元にディスカッション。
「どうして中国人は刺身を厚く切るのが好きなのか」というおもしろい質問も出ました。
大きな勝負をしたいという人には海外にもチャンスがある!ことを示唆する記事でした。
クイズの正解
<1日当たりの石油の消費量の多い国>
1位 アメリカ合衆国
2位 中華人民共和国
3位 インド
4位 サウジアラビア
5位 日本
<産業用ロボット稼働台数の多い国>
1位 中華人民共和国
2位 日本
3位 大韓民国
4位 アメリカ合衆国
5位 ドイツ
<世界遺産の多い国>
1位 イタリア
2位 中華人民共和国
3位 ドイツ
4位 スペイン
5位 フランス
日本は25か所で11位です