学校教育に対する基本的な考え方(1)

私は、学校は基本的に集団教育の場であると考えています。小学校、中学校、高校、大学と、それぞれの年齢ステージに応じた集団生活を経験できる、大変ありがたい存在です。

よく「個性を大切にする教育」といった表現がなされますが、これについて学校でできることは限られています。集団生活の中で人とは違う自分を見出すという点について、学校は大変適しています。しかしそれ以上を望むのは過度な期待であると思います。

時間割・カリキュラムが決まっていて、学ぶ内容や方法が一緒である以上、どこまでも自分の主張や要求が通るわけではありません。勉学であれ、スポーツであれ、音楽・芸術であれ、自分のこだわりを存分に発揮できるのは学校の外においてです。

学校のよいところは、大人(社会人)になる前の成長の過程で「みんなの中の自分」「自分の中のみんな」をたくさん経験できる点にあり、「世の中にはいろいろな人がいるんだなぁ」「その中で自分はこういうことが得意で、こういうことが苦手で、こういうタイプなんだなぁ」と考えることができる点にあるのではないでしょうか。

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