日本の伝統文化解説シリーズ⑩「枯山水」

日本の伝統文化シリーズ⑩「枯山水

 枯山水は日本庭園の様式の一つ。水を引いたり、池を作ったりせずに、砂や石・岩を組み合わせて山、海、滝などに見立てるのが大きな特徴である。

 

 飛鳥時代から水を使わずに水を表現する庭園が存在し、平安時代の書物『作庭記』では「枯山水(こせんずい)」として紹介されている。

 

 鎌倉時代に禅宗が中国から伝わり、禅僧の修行のために枯山水の庭園が作られるようになる。さらに室町時代には、禅の精神から生まれた「侘び・寂び」の美意識が重んじられ、「空白美」などの絵画的な要素も加わり、芸術の度を増していく。ちなみに、枯山水は英語では“Zen garden”と表現される。

 

 代表的な「枯山水」の一つは京都の竜安寺。幅25m・奥行10mの空間に白砂が敷き詰められ、大小15個の石が配置されている。どの位置から眺めても、必ずどれか1つの石が見えなくなるように配置されていることで有名である。

 

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