小中学生向けの経済講座 第95回

7月11日(月)、小中学生向けの経済講座(第95)を開催しました。

 

会社の買収とは
Sさんから「会社の買収について教えてほしい」との依頼がありました。

 

学校の技術・家庭科の授業で、「発光ダイオードを作る社員40人(=Sさんのクラスの人数)の会社があり、業績が芳しくないとします。社員を解雇することなく経営を続けていくには、①今のまま、②2億円の借金をして蛍光灯を生産する、②4億円の借金をしてLEDを生産する、のどれがよいか」というテーマで、グループ・ディスカッションをしたそうです。その中で、Sさんは「買収されたらよいのでは」と発言したものの、企業買収がよく分かっていないので知りたい、とのことでした。

 

まず、上記のテーマでディスカッションする中で「企業買収」という発想が出てきたことがすごいと思います。さすが、経済講座の受講メンバー!です。

 

日本は優れた企業が多くありながら、企業買収はあまり盛んではありません。近年、日本の会社が外国資本の買収されるケースが増えてきましたが、日本の会社が日本の会社を敵対的に買収するケースは多くありません。国民性ゆえだと思います。

 

買収されるには、技術力や優良不動産の所有など、買収する側にとっての魅力が必要、②買収された後、不要な部門は廃止され、不要な社員は解雇される、といった点を説明しました。市場経済は厳しい…。

 

Sさんは経済脳を着実に磨いてきています。ここ数か月、Sさんの鋭さに感心する場面が増えてきました。

 

 

②21年出生数 最低81万人
厚生労働省より発表されている2021年の人口動態統計を報じる記事を使って、少子化の実態を復習しました。

 

 

81万人がメンバーの皆さんの学年と比べてどのぐらい少ないかをグラフで確認したり、合計特殊出生率とは何かを説明したりしました。そして、その上で、少子化のメリットとデメリットについてディスカッションしました。

 

 

③石油に関わる世界の構図
少し前の経済講座で、原油の話やOPECを取り上げたので、以下の記事を紹介しました。

 

 

左下の図が石油に関する世界の構図を分かりやすく表現しているので、これを頭に入れるといいよ、と伝えました。供給サイドと需要サイドを明確にして描いている点が秀逸です。

 

メンバーの皆さんの経済考察力が着実に上がっているので、市場が関係してくるテーマになると、それは供給サイドの話?それとも需要サイドの話?と尋ねるようにしています。

 

売る側がいて、買う側がいて、商取引が成立します。そして、売る側と買う側が多くなると、市場が発生します。さらに、市場が大きくなると、市場を動かす要因が複雑になってきます。こういったことが具体的な事例で分かってくると、経済がどんどん面白くなってくると思います。

 

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