中3化学の難易度が上がっている②

前日のブログからの流れで、もう1点指摘したいのがイオン化傾向の違いについての説明です。

昨年度までの教科書の該当ページはこちらです(東京書籍版)。

 

続けて、今年度からの教科書をご覧ください。

 

扱い方が変わっていることが一目瞭然です。

今年度の方が、不等号で並べられている物質の数が多くなっています。教科書内の実験例で取り上げられていない物質も入っています。

説明文も長くなっています。長くなっているので本編の内容が分かりやすいかと言うと、そうではなく、発展的な事柄が書かれています。

 

前回のブログと合わせ、中3化学の難易度が上がっているという話ですが、もう一つ見逃せない要素があります。それはコロナで実験が減っていることです。「密を避ける」という理由で、先生が行う実験を見せたり、動画で代替するという方法がとられています。

化学は本質的に実験が重要です。自分で実験を行い、目の前で現象を観察して、それを記録にまとめながら理解していく学問です。必ずしも教科書通りの結果が得られなくとも、それも含めて化学という学問です。

実験作業が著しく欠けているので、「とりあえずこうなると覚えておこう」になってしまっているきらいがあり、これは大変残念です。特に理科好きの生徒にとっては、大事な大事なチャンスが失われることになります。

スタディクラブでは(代わりに実験を行うことは残念ながらできないものの)、そのようなことを含めて、化学のおもしろさについて話すようにしています。

 

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