スプリングセミナー報告(4)小学生メンバーの文章読解
今回のスプリングセミナーの主なポイントの4点目は、小学生メンバーの文章読解(国語)です。
一人ひとりが各自の学習を行うのがスタディクラブのスタイルですが、大部分の小学生メンバーが文章読解を毎回行いました(もちろん別々です)。多くの文章読解を続けて行ったことで、一人ひとりの改善点がよく分かり、大変有意義でした。
現在のメンバーを考察する範囲では、文章読解がうまくいかないという現象は、以下のように類別することができます。
①文章は読めているが、設問に正しく答えられない。
・文章題の問題に慣れていない人がこれに当てはまり、設問をよく読んでいないケースも含まれます。
※学校では授業で学んだ文章からテスト問題が作られるので、細心の注意を払わなくとも解けてしまうことがたくさんあると思います。
・新しい文章を読んで、様々な形式の問いに答えるという学習をコンスタントに積み上げていくことにより、正確さ、ち密さが増します。
②早く終わらせようという気持ちが強く、ていねいに読まない。
・これは精神的に幼い子に多く、正しく考えるよりも、早く解答欄を埋めることが目的になってしまっているケースです。全部を読まずに答えようとするので、×が多くなるのも無理はありません。
・「あわてず、ゆっくり読んでみようか」と声をかけるだけで解決することがたくさんあります。正しく答えるという成功体験を積ませ、本人がそのことを嬉しく思い、こちらもそのことを一緒に喜ぶという繰り返しにより、状況は好転します(自然なことです)。
・○×とは別に、ていねいに読むことを習慣化させることにより、土台となる日本語力の向上も果たすことができます。
③黙読ではできなかったが、音読してみると分かる。
・声に出して読むことによって集中力が高まり、「あっ分かった」となるケースです。②のケースと重複することもあります。
・一方で、なかなか音読が正しくできない、という場面も多々あります。漢字が読めないのではなく、自分が知っている漢字とひらがなから成る部分を正しく読めない、という現象です。一層ていねいに対応し、正しく読めるようにします(ここは神経を使います)。
・こういう子は、家である程度まとまった長さの文章を音読することを習慣にするとよいです。
④語彙力が足りない。
・言葉の知識が足りないために、読み方や意味が分からず、それがいくつも重なると分からなくなってしまうというケースです。
・知識を拡充させていくために、こちらからていねいに説明します。スタディクラブの学習は個人単位なので、自分本位に質問できます(他メンバーに合わせる必要は全然ない)。知らないことが分かれば、嬉しく楽しくなります。
以上、文章読解ができないという現象を、大きく4つに分けてみました(細かくはもっといろいろあります)。テストの点数というよりは、日本人として日本語を正しく使えるようになってほしい、ひいては日本語の美しさを実感してほしい、と願い、国語=日本語を大切にしています。