共通テストの英語は別世界
高校生メンバーのK君が「共通テストの英語のパフォーマンスを上げたい」とのことで、対策を実施しました。
その成果が出て、この夏休みに入ってから受けた模試で本人の満足のいく結果を得たのですが、改めて共通テストの英語に対する違和感を感じました。
共通テストの英語の大きな特徴は、速読して要領よく処理することです。本文や問題文を普通に読んでいたら、帰国子女を除くほとんどの受験生が時間内に解き終えることができません。速読して、設問に関係ないところをできるだけスキップして、いかに効率よく解答するかという勝負です。
情報化の時代に間違っていないのでは、という意見も多そうですが、これは大学入試です。大学とは学問をするところで、就職予備校ではありません。大学での学問に必要な英語の習得を促す試験であるべきだと考えます。
いや、そのために2次試験があるんだ(2次試験では精読を要し、高度な論理思考力を試す問題が出題される)という反論もありそうですが、実際には「共通テスト利用」という手段があり、このルートで大学に入学する人々が存在します。その人たちは、2次試験や一般入試の結果を問われることがありません。
センター試験から共通テストに移行する際にこの傾向が一気に強くなったのですが、使える英語を意識しすぎて、学術的な側面が軽視されているように感じます。
英語の文章読解を通じて、特定のテーマについて熟考したり、世界観を広げる、論理的思考力を高める、ひいては専門的な論文やレポートを読み込むことができるようになることが、大学での英語の大きな目的で、そこからズレているように思えて仕方ありません。
※英語で文章を書く力についてはさらに上のレベルの話になるため、いったん横に置いておきます。
K君は共通テストの英語に区切りをつけて、❝精読の英語❞に戻りました。