「挑戦する」

私がスタディクラブ RIVER OF DREAMSを立ち上げたのは1996年(平成8年)です。当時は平成不況の局面にあり、その後「失われた20年」という言葉に象徴されるように、日本経済は多くの場で活気が失われていきました。

 

私が10代のメンバーに向かって常に言い続けているのは「今の時代は君たちにとって大きなチャンスだ」ということです。

 

この20数年間、それまで常識とされていた考え方や方法がだんだんと通用しなくなってきました。このような状況は、挑戦する者にとって大きなチャンスです。かつての成功事例が参考になりにくい局面では、若い世代の活躍の場が広まります。

 

「自分の頭で考えて行動する」

積極的に挑戦する人間力を高めるために、メンバーには「自分の頭で考えて計画を立て、方針を決めて行動する」「成功しても失敗しても、なぜそうなったのかの分析を必ず行い、それを次の局面に生かす」ことをアドバイスしています。

 

何を学びたいのか、それをどのようにやるのか、自分の意見を出し、私と協議します。そして、その結果に基づいて学習プランを作り(当然本人が原案を作ります)、そのプランに沿って学習を進めます。もちろんいつでも相談・質問できます。

 

「失敗から学ぶ 成功から学ぶ」

そして節目で(たとえば定期テストが終わった時など)総括を行います。この時も、まずは自分自身で振り返りメモにまとめ、それを見ながら私と意見交換を行います。

 

多くの人間は何かを振り返る時「失敗したことの反省」に偏りますが、私は「よかった点もしっかり書き留めて、なぜそれがうまくいったのか丁寧に考える」よう指示しています。失敗体験と成功体験の両方を積み重ね、そこから学ぶことが大切です。

 

そこまでで一巡となり、また次の目標を設定し、同じように繰り返します。この過程を繰り返すことによって習慣化し、より精度が上がっていきます。

 

「得意なもの・好きなことの力を伸ばす」

もう1つの重要なアドバイスは「得意なもの・好きなことの力を伸ばす」です。多くのことをそつなくこなす人間が活躍できる分野は狭まり、得意技を持った人材がより高く評価される時代になっています。

 

苦手分野克服の意義を否定はしませんが、そもそも大多数の人間は得意なもの・好きなことに多くのエネルギーを投入する方がより楽しく、意欲的に取り組めるのではないでしょうか。そして、その流れで「不得意なものも頑張ってみよう」と進んでいく方がトータルの成果がうんと大きいように思います。

 

なお、得意なもの・好きなことは科目とは限りません。音読やノートのまとめといった学習の方法論でもよいですし、読書やモノづくり、観察、鑑賞といった趣味的なことも大いに意義があります。プログラミングなどのパソコン操作もその中に入りますし、音楽や芸術、スポーツは言うまでもありません。

 

以上が、スタディクラブを開始してからずっとメンバーに伝え続けているメッセージです。平成が終わり、令和に入りましたが、上記の、勉強・学びを取り巻く環境は変わることなく、むしろ一段とその意味合いを増していくと考えています。

 

もちろん小学生と中学生と高校生では成長のステージが違いますし、細かく言えば個人差がありますので、一人ひとり対応が異なります。どの学年ではどこまで達していないといけないという決まった基準があるわけではなく、そのメンバーに合うアドバイスを行っています。