成績の上げ方にこだわる(1)

成績が上がる方がよいか、上がらなくてもよいかといえば、当然上がる方がよく、そのことに異論はありません。学校の勉強は大して役に立たない、などとは思いません。

問題は成績を上げるための方法、そこに至る過程です。こうすれば効率よく正解を導けるという解き方を教え込まれ、宿題によって強制的にその類題を解かされる。ここが試験によく出るポイントだと指摘され、暗記して小テストを受ける、不合格なら再テスト。それらをひたすら続けて、テストを受けたら点数が上がった、順位が上がった。それでは「もったいない」と思いませんか。

平均点あるいはそれ以下の場合は、状況に応じて上記のような導きが必要です。「できる」「できた」「やった!」という成功体験を増やし、そこから意欲を盛り上げて学習モードを作ることが有効です。ほとんどの人間にとって(私自身も)、苦手なことを頑張り続けるのは苦痛です。できるようになったからこそ、もっと頑張ろうという気持ちになれます。

一方で、平均ゾーンよりも上にいる場合に、たとえば「○○塾の△△先生の言う通りに勉強すればよいのだ」などと考え、素直なよい子になり、受け身の学習に徹してしまったら、その脳の使い方は実にもったいないと思います。

第一に、方法やプランについて、自分の頭で考えることをしなくなります。第二に、本来独力でできることにまで他者の力を借りるという、あまりに残念な事態が起きてしまいます。第三に、試行錯誤や失敗から学ぶという貴重な体験が減ってしまいます。そして第四に、うまくいった時の達成感・充実感が弱くなってしまいます(成功体験の不完全燃焼)。

指示待ち人間、無難な方法を選択するバイアスのかかった人間、トライ&エラー経験の不足した人間が、これからの社会で活躍できる領域はどんどん狭くなっていくと思われます。

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