小中学生向けの経済講座 第81回

3月14日(月)、小中学生向けの経済講座(第81)を開催しました。

ロシア情勢が日本の回転寿司に影響
このところI君が連続で資料を持参、本日は「ロシア産ネタ 回転ずしに影」と題する新聞記事(朝日新聞)でした。


この記事によれば、ロシアからのイクラやカニ、ツブ貝などの仕入れが難しくなりつつある、とのことです。I君の問題意識は「これがロシアではなく、日本だったら(寿司ネタでなく)何が問題になるのだろう」という点にありました。素晴らしい発想力です。

メンバーから「自動車」「機械類」「魚類」「お米」が挙がりました。これもグッドです。

自動車について。自動車は大きな市場では現地生産を行っているので、輸出の問題はその分緩和される。むしろ日本からの輸出が止まって、相手が困るのは中古車。日本人がもはや乗らなくなった自動車・日本の企業がもはや使用しなくなった商業車の多くは海外に運ばれ、発展途上国を中心に活躍する。

機械類について。決定的に大きな問題となるのが、工作機械(マザーマシン)を初めとする、日本の企業しか作れない機械類。これらが日本から調達できなければ、生産活動が止まってしまう企業が海外にたくさんあります。実際に2011年の東日本大震災の後、この現象を恐れ、海外企業の経営者がたくさん日本を訪れました(本当に大丈夫か確認しに来た)。

魚類・お米について。日本の高級食材を求める海外の富裕層は多く、彼らのために輸出が行われています。果物も然り。合計の金額は多くないが(単価は極めて高いが)、高級品を作っている生産者にとっては大きな痛手となります。

なおSさんは、記事中の「ツブ貝やボタンエビなどは半年から1年分ほどの在庫があり」に触れ、そんなに多くの在庫を置いておく倉庫を持っているのかと驚いた、と発言。全くその通りですね。我々が新鮮かなと思って食べている寿司ネタが実は1年前に獲れたものという可能性があるわけです(笑)。

 

復習:この30年の日本のマクロ経済
以下の記事を用いて、バブル崩壊以降の日本のマクロ経済の動向を復習しました。


一通り読んで、気になる箇所を発表してもらう形をとりました。賃金も物価もほぼ横ばいで、マクロ経済として停滞の続く状況であることを、他国と比較しながら確認。そして、コロナ禍の中で立場の弱い下請企業が、現在一層厳しい状況に置かれている、という内容を読み取りました。

下請け」とは何か?という質問が出たので、説明しました。また、「経済効力開発機構(OECD)」とは何ですか?との質問も出たので、これも解説しました。

 

その他の紹介記事

 


K君が素早い計算力を発揮し、国民一人当たりの資産額(3000万円弱)を答えてくれました。ケタの大きい割り算は難しそうですが、概数にして上手に0を取り除いてから計算すれば、およその値を楽に算出できます。

このところ、ますますレベルが上がって、充実の度合いを高める経済講座です。

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