小中学生向けの経済講座 第100回

9月5日(月)、小中学生向けの経済講座(第100)を開催しました(ほぼ毎週の開催で100回に達しました)。

 

NISAの制度拡大へ
I君からの質問。
①NISAは今後広まっていくのか。
②富裕層の課税強化とはどういうことか?

 

 

①について。ここまでNISAの利用者は行政側が期待するほど増えていません(そもそも個人の資産運用がさほど増えていない)。さらに利用者の中でも投資枠を余らせている人の割合が高い。このまま、労働所得の先行きが暗い中で、制度だけ大きくしても、利用は広まらないと思われます(この10年ほどすさまじくアピールしてきたが,結局日本人の株式などへの投資は大して増えていません)。

 

②について。労働所得の税率が20%よりも高い富裕層が金融所得に対しては税率20%ですむというのは不公平だから、金融所得の課税を厳しくするべきだとの意見があり、今回NISAの枠を拡大するなら(非課税枠が広がるので)、一層課税強化の必要があるという論理です。岸田首相は内閣発足当初、金融所得の課税強化に言及したことがあります。

 

 

②最低賃金は平均961円へ
2022年度の県別最低賃金のデータを考察しました。

 

 

上の記事を読んでディスカッション。同じ日本でも都道府県によりかなりの差があるということが分かります。このように数値で定量判断すると、情勢をより正確に把握することができます。

 

 

③GDPとGDIの乖離が発生
こちらは本格的なマクロ経済の勉強です。

 

 

GDP(国内総生産)GDI(国内総所得)の違いを説明した上で、この記事の内容を解説しました。グラフと右下の図でポイントが非常に分かりやすくなっていて、この記事は素晴らしい。

 

 

④国葬費は何に使われる?
最後に、現在安倍元首相の国葬費が話題になっていますが、2.5億円は何に使われるのかを探る記事を紹介しました。

 

 

会場費、遺影費、花代、警備費などに使われるとのことです。この話は話題性が強く、比較的金額の話も分かりやすいのですが、国や地方自治体が支出するお金は税金が中心ですから、ふだんから国民はその使途や金額に関心を持つべきだと思います(なかなか難しいことですが)。

 

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