Hさん(高校生メンバー)の英語探究①

Hさん(高校生メンバー)は、スタディクラブで主に英語の勉強に取り組んでいます。言葉に繊細なところがあり(もちろんプラスの意味)、毎回よい質問をしてくれ、僕をも楽しませてくれます。

 

そのような例を一つご紹介します。

 

Hさんが読んでいた文章に virtual という単語が出てきました。その文章内での意味は日本語に変換すると「実質的な」でした。

 

そこでHさん、「virtual はヴァーチャル空間のように、「仮想の」の意味で使うことがあるが、「実質的な」と「仮想の」ではニュアンスが異なるのではないか」と質問してきました。

 

実質的な」は実体があり、しかもそれが重要であるのに対し、「仮想の」は実体がない世界のことを意味するので、同じ単語の意味として共存しているのがしっくりこない、ということです。

 

ナイス・クエスチョンです!そこで、紙の辞書をペラペラめくって、Hさんに virtual の項を見てもらいました。そこには

 

(名目はともあれ)事実上の、実質上の、実際(上)の

 

と書かれています。(名目はともあれ)の部分が重要です。このニュアンスが含まれているため、「仮想の」の意味とつながってくるわけです。

 

Hさん、これを見て、すんなり納得しました。virtual が意味する「実質的な」にはそのようなニュアンスが込められているのだなと理解でき、嬉しそうな表情を見せてくれました。Good job!

 

言葉の抽象度が上がってきますと、単に「この単語の日本語訳は?」では不十分で、実際の使い方をよく検討することが必要です。特にシンプルな日本語訳が同じ場合や、意味の似ている単語が出てきた場合、意識的に違いを調べることが肝要です。

 

よくメンバーの皆さんに言いますが、「何か違いがあるのがふつうだよね」「全く同じ意味なら、存在している意味がないよね」ということです。

 

※理想としては英英辞典を使いたいところですが、それはレベルが高すぎるということであれば、類義語の区別が載っているものを活用することを推奨します。また、紙媒体の辞書も活用するべきです。一目で視界に入ってくる情報量が違いますので。

 

Hさんとの英語探究シリーズは次回に続く

 

 

 

Follow me!