日本の伝統文化解説シリーズ⑬「落語」
日本の伝統文化シリーズ⑫「落語亅
高座に座布団を敷いて和服姿で座り、一人で何人もの役を演じながら滑稽な物語を語っていく伝統話芸。
言葉(江戸っ子の喋りや方言など)を繊細に使いながら、身振り手振りを交え、おもしろおかしく表現する。扇子と手拭いだけを小道具として用い、これらを様々な物に見立てて使用する。演者の技巧と聴き手の想像力で噺の世界が広がっていき、最後に「オチ」がつくのが大きな特徴。
落語の始まりは、戦国大名の傍に仕えた「御伽衆(おとぎしゅう)」であるといわれる。江戸時代に入ると、三都(京、大阪、江戸)で不特定多数の観客から収入を得る噺家が現れる。18世紀中頃には寄席が始まり、落語が一般大衆に広まっていく。
近代以降、映画・ラジオ・テレビなどの登場によって、寄席に出かける観客は激減したが、新しいメディアとうまく共存しながら生き残った芸能であり、幾多の名人も生まれている。