小中学生向けの経済講座 第165回
今回のテーマ:お年玉、あなたならどうもらう?
<場面設定>
元旦の朝、起きてきたら、お父さんとお母さんから次のように言われました。
「今年のお年玉はもらい方を次の4通り用意したよ。好きな方法を選んでごらん。」
①ふつうに7,000円もらう。
②サイコロを振って、奇数(1・3・5)が出たら6,000円、偶数(2・4・6)が出たら8,000円。
③サイコロを振って、出た目×2,000円の金額をゲット。
④サイコロを振る前に出る目を予想して言う。サイコロを振って、自分の言った目が出たら27,000円、違う目が出たら3,000円。
thinking time の後、全員にどれを選んだかとその理由を発表してもらいました。
一番多かったのは②、その次が③、ごくわずかに①、そして④を選んだメンバーはゼロでした。
②を選んだ人は「悪くても6,000円」を好感したようです。その上で勝負に臨むと。
③を選んだ人たちは「1/2の確率で基準となる7,000円を上回る」点に着目し、勝負に出たいという意見でした。
①を選んだ人は「運に左右されるのがイヤだ」と発言しました。
なお、④を選ばなかった理由を尋ねてみると、「当たる確率が1/6と低いから」「3,000円は受け入れられない」「27,000円を当ててその年の運を使い果たすのがイヤだ」といった回答が返ってきました。
この問題に決まった正解はありません。人それぞれに考え方が異なります。これは行動経済学が注目するポイントの一つで、今回はそれと確率論を絡めて出題しました。
多くのメンバーが「確率」を用いて思考展開し、期待に応えてくれましたが、中でも素晴らしかったのがAさんです。Aさんは①~④の期待値を計算し、4つとも同額の7,000円であることを突き止め、それを発表してくれました。つまり、「確率論としてはどれも同じである」ということです、Aさん、tremendous!