小中学生向けの経済講座 第159回

今回のテーマ:自由競争か、同じ数ずつ分けるか

 

あなたは都会の生活に疲れ、田舎に引っ越すことにしました。山の生活を送ってみたいと思い、候補地を訪れました。すると、そこには二つの村がありました。どちらも人口100人で、全員がリンゴの生産を仕事にしています。ただし、大きな違いが…

 

A村:自由競争で、自分の収穫は全て自分のものになる

B村:収穫を村でまとめて出荷し、売上を全員で等分する

 

さて、あなたはどちらの村を選びますか?

 

 

<メンバーの意見>

S君:A村
・B村では競争原理が働かず、うまくいかない
・売れなかった人は頑張って工夫するので、A村は発展する

 

Aさん:A村
・自分の収入に直結するので、よしあしをよく研究するようになる
・B村では、よいリンゴをつくろうとする工夫をしなくなる

 

S君:A村
・A村ではお互い競争して、高め合うことができる
・B村ではそれがないので、全体として生産が増えていかない

 

 

 

Y君:B村
・A村では、自分のリンゴが売れないときつい
・A村では、自分がたくさん稼げた場合でも、他の人がかわいそう

 

R君:B村
・A村は自分が不利になる可能性がある
・B村は収入が安定する

 

Y君:B村
・自分がうまくいかなくても、他の人の分をもらえる
・リンゴ作りが得意な人にマウントをとられない

 

S君:B村
・皆で分け合うので、最低限を確保できる

 

R君:B村
・A村はケンカが起こり、追い出されるかもしれない
・B村は平等だからケンカが起こらない

 

Tさん:B村
・何かのアクシデントでリンゴづくりがうまくいかなかった時、A村では生活が心配

 

N君:B村
・A村では、うまくいく時といかないときの差が大きくなるのが心配

 

Sさん:B村
・A村では、もしもの場合、収入がなくなってしまう

 

S君:B村
・B村は皆が平等
・A村はいつか失敗するのが心配

 

R君:B村
・A村では、うまくいく・いかないで大きな差が出てしまう
・B村でいっぱいとれたら、皆でよい思いができる

 

H君:B村
・生産ができなかった場合、A村では収入がゼロだが、B村なら少しはもらえる

 

 

以上のように、B村を選ぶ人が圧倒的に多いという結果になりました。もちろん、この問いには決まった正解はありません。「自由」と「平等」が眼の前に現れた時、どちらを選ぶかの究極の選択です。

 

全員が自分の考えを自分の言葉でプレゼンでき、感心しました。そして、他の人の意見にうなずいたり、首をかしげたり。質問や反論の時間も設け、大変活発な議論となりました。

 

このテーマは次回に続く!

 

 

 

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